コラム

各専門分野の方々から、セラピストリーダーの皆さんが現場マネジメントで役に立つ情報やヒントをご執筆いただくコーナーです。
医療や介護の業界に限定せず、幅広い情報が集まるコーナーです。
編集長コラム

編集長コラムvol.6  リーダーの5つの役割⑤~上司を補佐する~

2021.11.20 投稿

少しご無沙汰しました。編集長の下田静香です。
今年も年末まで40日。ここから一気に年末ですね。
「光陰矢の如し」とはよく言ったもので、2021年を振り返ると、コロナ禍が続き、あっという間でした。残りわずかですが、「年内にやっておけばよかった~」と後悔しないよう大切に一日一日を過ごしていきたいですね。

*:.。.:*:・’☆。.:*:…:*★:・’゜:*:・’゜*;・’゜★゜’:*:.。。.:*:…:*

 さて、「リーダーの5つの役割」をお伝えしてまいりました。今回は最終回の5つ目「上司を補佐する」です。

  ✅ 方向性を示す
  ✅ 仕事の進捗状況を管理する
  ✅ 部下を把握する
  ✅ 模範となる
  ✅ 上司を補佐する

上司の補佐は、敢えて言葉に出すまでもないことですが、具体的にどのようなことをするかを挙げることができるでしょうか。
また、補佐しているという意識、認識がどの程度あるでしょうか。

*:.。.:*:・’☆。.:*:…:*★:・’゜:*:・’゜*;・’゜★゜’:*:.。。.:*:…:*

多くは、補佐という認識よりも、指示に対してきちんとできているかという方が気持ちとして強いと思います。

上司とリーダーとの関係性は、上司は自分に指示をする人、自分は上司に報告する人のように組織運営上の上下の関係、つまり指示命令系統の関係性の認識が強いと思われます。

しかし、指示はできていても、上司はすべてのことを把握しているわけではなく、リーダーが見えていて、上司が見えていないことも現場にはたくさんあるのです。特にリーダーは、メンバーと近い場所で仕事をしていますので、メンバーの表情や声のトーンで変調を察しやすいこともあります。

だからこそ、リーダーは次の「上司を補佐する」行動がより組織を強化できるのではないかと思います。

「上司を補佐する」行動として、次の2つは実践できているでしょうか。

✅ チーム運営に必要な自分が知っている情報を上司に報告している
✅ チーム運営に必要であろうメンバーの様子を上司に報告している

これは、上司として自分の部署の仕事の進捗状況とメンバーの動き、気持ちを知りたいのは当たり前ですが、上司(管理職)の仕事もありますから、リーダーを任命して、管理職の一部を委譲しているのです。

委譲されている以上は、状況報告する義務があるのです。自分には見えないことを含めた報告を受けることで、部署運営がよりよく進むための意思決定、適切な指示ができるのです。

そう考えると、リーダーの「上司を補佐する」という役割は部署運営の未来、メンバーの未来に大いに影響するということがわかりますね。

*:.。.:*:・’☆。.:*:…:*★:・’゜:*:・’゜*;・’゜★゜’:*:.。。.:*:…:*

■執筆:下田静香 (株式会社エイトドア代表取締役)エイトドア

 法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科修了(経営学修士MBA)。医療、介護、保育、障がい者施設の人事制度構築、人材育成・組織運営等研修等や講演、執筆等で活動。全国の病院、福祉施設で実績を積み、それに付随する評価者研修講師は延べ800件を超える。回復期リハビリテーション病棟協会、東京都社会福祉協議会、神奈川県社会福祉協議会、香川県看護協会、長野県看護協会、八戸市消防本部他団体他で研修講師を務める。著書に「介護施設のためのキャリアパスのつくり方、動かし方」(東京都社会福祉協議会)、「理学療法士育成OJTテキスト」(文光堂 共著)他。現在、「デーリー東北紙『私見創見』」にコラム執筆中。