マネジメントリーダーリレーインタビュー

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マネジメントリーダーリレーインタビュー

医療法人博仁会  福岡リハビリテーション病院 白瀧 敦子さん

2021.01.31 投稿

福岡市西部に位置する医療法人博仁会福岡リハビリテーション病院のリハビリテーション部副部長 兼 脳血管・内科部門シニアマネジャーの白瀧敦子さんにインタビューしました。
リハビリテーション部の副部長としてPT,OT,STの三職種をまとめているだけではなく、部門を超えたシニアマネジャーとしてご活躍されています。そのご活躍の様子を伺いました。

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◎白瀧さんの所属の病院はこちら
医療法人博仁会 福岡リハビリテーション病院

◎白瀧さんのプロフィール
<現職>福岡リハビリテーション病院
リハビリテーション部副部長 兼 脳血管・内科部門シニアマネジャー

<ご経歴>
1999年(平成11年) 国立善通寺病院附属リハビリテーション学院 卒業
1999年(平成11年) 福岡リハビリテーション病院 入職
2006年(平成18年) リハビリテーション部 副主任
2009年(平成21年) リハビリテーション部 主任
2011年(平成23年) リハビリテーション部 係長補佐
2014年(平成26年) リハビリテーション部 係長
2020年(令和2年) リハビリテーション部 副部長
脳血管・内科部門 シニアマネジャー

<資格>
2000年(平成12年) 福祉住環境コーディネーター3級
2006年(平成18年) 介護支援専門員 取得
2007年(平成19年) 福岡県広域連合介護認定審査会 委員
2012年(平成24年) 回復期セラピストマネジャー 認定
2019年(平成31年) 認定理学療法士(脳卒中)
2020年(令和2年) 日本理学療法士協会 登録理学療法士制度委員会 委員

◎理学療法士になられた動機、きっかけをお教えください。

幼いころから色んなことに興味をもつタイプでした。怪我したことをきっかけで医療職にも興味を持ち、看護師になりたいと思っていた頃もあります。理学療法士という言葉を知ったのは高校の何かの授業で、直感的に興味を持ちましたが、一方でずっと剣道をやっていたので、高校卒業時は本気で体育の教員を目指していました。ですが、大学受験に失敗し、自身で改めて進路を考えた時に直感的に興味を持った理学療法士の道に進路変更しました。

当時、理学療法士は、整形外科の領域のイメージが強かったのですが、入職時の配置により脳卒中の方をみるようになりこの分野での従事をするようになりました。

◎所属の病院、法人のご紹介(地域での役割、機能、特長など何でもPRしてください)をお願いいたします。

当院は医療法人博仁会として、福岡リハビリテーション病院と福岡リハ整形外科クリニックを運営しています。

福岡リハビリテーション病院は、名の通りリハビリテーションの専門病院です。病床数は228床で、主に整形外科疾患と脳血管疾患の方へのリハビリテーションを提供しています。
整形外科では、膝を得意としており、変形性膝関節症や靭帯損傷の方が多く来院されます。保存療法や手術前から手術後のリハビリテーションを実践しており、特に痛みについて、認知面や心理面を含めた多角的な評価を行い、患者教育を行っていることが特徴です。

脳血管疾患では、回復期から生活期までを対応したリハビリテーションを展開しています。当院の回復期リハ病棟は、基準1を取得しており、9割以上が脳血管疾患で占めるという、全国的にみてもこの疾患構造は希少です。アウトカムなどのハードルもありますが、チーム力向上をスローガンに他職種協働で頑張っているところです。生活期では訪問リハや通所リハなども提供していますので、地域に必要とされる病院となれるよう頑張っているところです。

◎そのような特徴がある病院であれば、地域からの信頼は厚いですね。

いえ、そうでもなくて、ひと昔前まではこの地域でリハビリテーションと言えば、当院ということもありましたが、近隣でもリハビリテーションに力を入れている病院も多くなり、今は「選ばれる病院」にならなければならないと思っています。

◎そうなると、急性期病院の後方支援という役割の機能かと思いますが、積極的に患者さんを紹介してくれる病院にならないといけないということでもありますね。

患者さんを紹介していただく病院は、国立病院機構九州医療センターが一番多いですね。そのほかにもある程度決まった病院から紹介いただいています。

ただ、この度の新型コロナ感染で、患者さんを紹介していただいている病院でクラスターが発生してしまうと、その病院から患者さん紹介していただけず、当院での空床が目立った時期もありました。この時は地域から入院される患者さんもおられましたがこれにも限界があり、経営的にかなり厳しい状況になったのも正直なところです。現在もまだまだ油断はできませんが、脳卒中患者さんの紹介は徐々に回復期してきている印象です。

◎2020年に「シニアマネジャー」というお役職も兼務になられたようですが、どのような役割でしょうか。

当院では、看護部およびリハビリテーション部は当院で最も人員の多い2大部門です。その2部門が協力し、方針を共有して病院を運営することが必要なのですが、やはりそれぞれの部門が自己主張して歯車がうまく噛み合わないことがあります。その取りまとめ役を作ろうということでシニアマネジャーというポストができました。シニアマネジャーは自身の所属部門のことを考えるのではなく、看護部もリハ部もひっくるめて当院にとって何がより良いのかを考え方針を作っていく役割と考えています。新たな役割としてもそうですが、経営的な視点も学ぶ機会となっています。

昨年12月くらいからその動きをし始めています。回復期病棟にいたときは、看護師とセラピストは、病棟の中という範囲では横のつながりがまず出来ていると自負しています。しかし別の病棟となるとそれぞれの病棟の特性もあり、回復期リハ病棟の様に多職種で取り組むという訳にはいかない面もあります。これからは、リハ病院として多職種協働の実践をベースに様々なことに取り組んでいきましょうという方針を策定している段階です。現状は、その動きに対して、構えてしまうスタッフと賛同してくれるスタッフのように様々な状態です。

看護部もシニアマネージャーではないのですが、同様の役割をしてくれる管理職がいます。今は、主に二人で話し合いながら、どのように浸透させていくのかを進めているところです。私の構想としては、多職種で連携して患者さんを支援していていくことを共にやっていきたいという考えに変わりはないです。ただ一方で、それがスタッフたちにどのように伝わっていくかなという点でも不安は常にあります。

理想を言えば、全ての職種が何がしかのかかわりをもってできればいいのですが、やはりメインで動くべきは看護部とリハ部だと思うのです。その点で、リハビリテーション病院と言いながら、当院はその機能を果たせているかという疑問を感じているところもあり、いい機会と思って進めているところです。
まずは、当院での回復期リハ病棟をモデルに他職種協働をより成熟していきたいと考えています。

◎リーダー(役職)になりたてのとき、壁にぶつかったこと、それをどのように克服したのかをお教えください。

初めてリーダーの仕事をするようになったのは、「副主任」という職位が最初でした。その時はリーダーとして何か特別なことをやらなければいけないという認識は薄かったように思います。リーダーを意識し始めたのが複数のリーダーをまとめ、ひとつの部署を管理する立場の係長になった時です。この時は、それまでの経験や出会った先輩などの影響でリーダーとはこうあるべき、といった理想がありました。

その理想を追いながら「リーダーシップを取らないと!」と思い、私なりにチャレンジしていたことが結果的にリーダーの意見に耳を傾ける余裕がなかったと思います。その時のリーダーは6人くらいでしたが、リーダーからの意見が出てこないことをネガティブに捉え「一緒に考えてくれない」という思考に陥ってしまい、勝手に孤立した意識になっていた時期もありました。誰にも頼れる人がいなかった時期でもあったので、この時が一番の壁だったと思います。

◎PTOTST全体のまとめ役である副部長をなさっていますが、3職種をまとめるコツや気を付けていることをお教えください。

私は理学療法士ですので、作業療法士や言語聴覚士の専門的なことや、その職種の特性は分からないことが多いと思っています。考える視点も違うと思うので、基本は意見を求める様にしています。ただ、単に「どう思う」と聞くのではなく、私の考えていることを伝えた上で意見や考えを引き出せないかなと意識しています。

3職種をうまくまとめているかは分かりませんが、意見を求めるスタッフは概ね決めています。教育について任せているスタッフや病棟運営を任せているスタッフなどです。現場を任せているスタッフも現場のスタッフの考えなど普段から耳を傾けていると思うので、そこは信用しています。

◎リーダーとして活動するとき、軸としていること、大事にしていることがあればお教えください。

あまり意識していませんが、常に柔軟でありたいと思っています。管理職ってなんだろうとよく考えることがありますが、過去の自分が上司をどう見ていたかを思い出しながら考えるもあります。

それと、リハビリテーション部であれば管理職が「一枚岩」になっているのが大事だと思います。スタッフからすると、管理職によって言っていることが違うというのが現場を混乱させることになると思うからです。それで信頼を失うと思います。だからこそ、管理職同士で常々意見交換をし、共通の認識を持つべきです。それぞれが直属の部下に対して、「こういうことを考えているから今この話をしているんだ」と同じことを話せないといけないと思うんです。そのためには、情報交換をしながらリーダーたちとの信頼関係を作ることも大事だと思います。

今のリーダーたちはきちんと仕事をこなしてくれるので、実質現場を回してくれているのはリーダー達だと思っています。そのリーダーをまとめてくれている主任や上司である部長ともコミュニケーションをとって、部として機能するような形を作るのも副部長としての役割かと思います。いずれにしても、上に立つものとして、常にみられている、上司として評価される眼で見られているという意識を持っているつもりです。

◎「信頼を失う」ということばが出ましたが、信頼を失うというとき、どんなことがあると思いますか。

 責任から逃げた時だと思います。現場の様々な問題を自分の責任の下で対処することや、スタッフが持ってきた問題にしっかりと向き合うことができなくなったら信頼を失うことになると考えます。また、自身の言動にも責任をもたないとかは論外です。ただ、決して完璧に物事を対処でいる訳ではないので、色んな人か支えてもらってできることだと思っています。

◎リーダーとして、これだけは身に着けておいたほうがよい、経験しておいた方がよいと思うことをお教えください。

よいことも悪いことも経験は多い方がいいと思います。
それと、目上の方や上司、外部の研修などで知り合う方々とのコミュニケーションは重要だと思います。多くの情報が得られますし、勉強にもなります。また人の繋がりから思いがけないチャンスがやってくることもあると経験的に感じることも多々あります。

 自分で考える習慣やそれを表現できることが必要かと思ったりもします。私自身もまだまだ出来ているとは思いませんが、より組織が活性化すために何ができるかを提案し、議論できることが大切だと思います。

◎これからのご自身のキャリアデザインがあればお教えください。

具体的に考えてはいないのですが、シニアマネジャーになって経営に関する勉強は必要になってきていると思います。同時にこれまで構築で携わってきた人事考課制度も改定が必要になってきたりと、人材育成や経営については、これからも勉強が続くのかなと思います。

でも、臨床は離れたくないですね。患者さんと接しているのは楽しいですし、それが私のやりたいと思っている仕事です。セラピストは、対患者さんとの関わりからは離れたくないという人は多いと思います。

◎最後に、自分を元気にしたいとき、どんなことをされていますか。

親しい仲間と食事をしたり、ドライブしたり、買い物に出かけたりすると気分は晴れることが多いです。体を動かすことは好きなので、夏場は海に出かけてSUPを楽しむこともあります。

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【インタビュー後記】

白瀧さんと出会ったのは回復期リハビリテーション病棟協会でのスキルアップ研修でした。その当時から、リーダーの育成について熱心に考えられていたことを思い出します。現在もリーダーとしての軸をしっかりと持って、ご活躍されている様子が伝わってきました。
「部下からの信頼を失うときは、責任から逃げたとき」は、白瀧さんが部下の皆さんへの姿勢を表していることばですね。
セラピストリーダーとして、部門を超えたシニアマネジャーとして、そして患者さん接することが大好きな理学療法士として、これからもますますお力を発揮されることを応援しています!
お忙しいところ快く本インタビューをお受けいただきありがとうございました!