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好きをカタチに〜自己決定は継続のカギ〜

2022.01.08 投稿

新しい年が始まりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私はといえば、今年の4月から大学院へ進むことになったので、シラバスを見ながら2年間の履修計画を立てているところです。大学卒業以来のシラバスは懐かしくもあり期待感を募らせてくれますが、一方で、どのような2年間になるのか不安でもあります。しかし、不安や心配が入り混じって躊躇する場面があったとしても、自分で決めたことは不思議と最後までやり遂げられるものです。

このように、誰かに押し付けられたわけではなく、自分自身の意思で決めて行動することで、より大きな成果を生み出しやすくなると言われています。自ら考え、楽しい気持ちややりがいに動機付けられているので、自発的な行動を促し、やり抜く原動力となってくれるからです。

ちょうど、昨年末に愛媛県の小学生に対してオンラインで話をしながら、好きや夢を引き出す授業に携わる機会がありました。まずは、それぞれが考える好きや夢をたくさん出してもらい、一つ一つに対して対話をしながら「なぜ好きなのか」「どこが好きなのか」を一緒に掘り下げていきました。

例えば、サッカーが好きという小学生に対してはサッカーをすることが好きなのか、それとも、サッカー観戦が好きなのかと問いかけながら自分自身を見つめてもらうのです。自分一人では気づかなかったけれど、だんだんと話していくうちに「こういうところが好き」と、これまで気づかなかった一面を知ることができ、次第に好きや夢の核心に迫っていく非常に興味深い授業となりました。

そうして行き着いた夢が「サッカー選手としてプレーすることが好きで、将来はサッカー選手になりたい!」であれば、これは自分決定した夢になります。親やコーチから言われて仕方なく行う練習ではなく、上手くなりたいという気持ちに基づいて自ら行動に移すのでモチベーション高く続けることができますし、難しい場面でもチャレンジする姿勢が見られるようになります。

大人になってからの忙しい日々の中で、好きや夢について見つめ直す機会はそうそう無いと思います。ですが、少なからず今携わっている仕事を選んだきっかけには、「興味がある」「楽しい」「好き」のエッセンスが詰まっているのではないでしょうか。

年のはじめだからこそ、自分の内面に問いかけ、今、興味があることや取り組んでみたいことを言語化して一歩ずつ進んでいくチカラにしていきたいものです。

■執筆:原麻衣子
株式会社エイドドア人事アドバイザー
国家資格キャリアコンサルタント 、アンガーマネジメントファシリテーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

北海道札幌市出身。北海道大学卒。大学卒業後、外資系製薬会社を経て、公的病院で人事労務等を担当。その後、病院、クリニック、介護施設を中心に人事制度や評価制度の導入・運用コンサルティングや研修講師として活動している。現在、産労総合研究所『病院羅針盤』にて連載執筆中。

産労総合研究所『病院羅針盤』