横浜市にある上尾医科中央グループの横浜鶴見リハビリテーション病院 リハビリテーション技術科科長の佐伯まどかさんにインタビューしました。

 体育大学を卒業されて、仕事をしながら作業療法士の専門学校に通い、資格を取得された佐伯さん。その後、病院で作業療法士として、ケアマネとしてのご経験もあります。

 さらに、新病院の立ち上げから、チーム作りで苦労されたこと、現職のリハビリテーション技術科科長としての現状もお話いただけました! 

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◎佐伯さんの所属の病院はこちら
 医療法人社団協友会 横浜鶴見リハビリテーション病院

◎佐伯さんのプロフィール
《ご略歴》
1997年3月 日本体育大学卒業
1997年6月~1999年3月 にいの整形外科 リハビリ助手として勤務
1999年4月 日本リハビリテーション専門学校 作業療法学科(夜間部)入学
1999年5月~2001年8月 緑ヶ丘病院(精神科) リハビリ助手として勤務  
2003年3月 日本リハビリテーション専門学校 作業療法学科(夜間部)卒業
2003年4月~2019年7月 さがみリハビリテーション病院 作業療法士として勤務 
2016年7月~2018年6月 居宅介護支援事業所 タイム 介護支援専門員として勤務
2019年8月 横浜鶴見リハビリテーション病院へ異動
2021年4月 同 リハビリテーション技術科 科長

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✅ 佐伯さんのご経歴、セラピストになられたきかっけなど教えてください。

 体育大学に通っていた頃、学生生活が楽しくて「一生、学生でいる方法はないかな?」と、思って卒業学年を迎えました。通う学校を探していたときに 『リハビリ』 という言葉が耳に入ってきて興味を持ったのですが、学費の問題もあったので、とりあえず整形外科のクリニックでリハ助手として働き始めました。

 クリニックで勤め始めた時は「リハビリと言ったら理学療法士かな~」と安易に思っていましたし、膝が変形したご高齢者に物理療法を行っていました。

 そんな日々の中で、
  「なんであんなに膝が曲がって痛いのに、毎日病院に来るんだろう?」
  「10分間電気を当てるだけで良くなるのかな?病院まで来るの大変じゃないのかな?」
と疑問が湧いてきました。
 そんなある日、楽しそうに団欒をしている患者さんを見て「もしかして、毎日病院にお喋りをしに来ているのかな?」と思ったんです。それからOTに興味を持つようになり、昼間は精神科のリハ助手として働いて夜間のOT養成校に通うこととなりました。

 その後、上尾中央医科グループ(埼玉県上尾市に本部)のさがみリハビリテーション病院での勤務を経て、2019年8月に現在の横浜鶴見リハビリテーション病院に異動になりました。その間、さがみリハビリテーションに併設をしていた居宅介護支援事業所で、2年間ほど介護支援専門員(以下、「ケアマネ」)として働きました。ケアマネとしての経験は、いろいろ考え方を深める機会になり、本当に良い経験だったと思っています。

― 居宅介護支援事業所へは、自らの希望で行かれたのですか

 そうです。さがみリハビリテーション病院でOTとして仕事をしていた時、回復期や通所も経験したのですが、ケアマさんとセラピストとの考えがどうしても擦り合わなくて・・・。「ケアマネさんは、なんでそんな考え方するんだろう・・・」とずっと思っていました。「実際にケアマネをやってみたら分かるかもしれない!」と思って、上司に頼んでみたら難なく許可がおりたので、やってみることになりました。

 ケアマネをやり始めた時はリハ科の管理者との兼務だったので、居宅の上司のはからいで3人だけ担当をすることとなりました。ただ、ケアマネの仕事って突発的な事が多くて、担当は3人だけなのですが、とても忙しかったんです。担当が少なくても多くの時間を居宅の事業所で過ごしていたので、それならばと最終的には15人ぐらいの利用者さんを担当していました。

― ケアマネの2年間の経験は、現在、ケアマネさんとの関係性にいい影響はありましたか。

 とてもありました。ケアマネジメントはものすごい難しい仕事だというのを知りましたし、ケアマネさんを以前よりもずっと!ずっと!尊敬をするようになりました。

 また、ひと月の仕事の流れや新規の担当を持つときの情報収集の大切さ、ケアマネの立場で欲しいと思っている情報を積極的に病院に依頼する難しさも知りました。ケアマネジメントはとても幅広い知識が必要なのですが、自分はリハ職の知識があるのみで他の知識が足りなくて、とても苦労をしました。この経験を通して、良いケアマネジメントをするためにケアマネさんが必要としている情報を補うような情報提供ができればと思っています。

 あと、色々な大変さを知ったことで、ケアマネさんと話していても全くイライラしなくなりました(笑)

✅ 横浜鶴見リハビリテーション病院リハビリテーション技術科のご紹介(特徴など)をお願いいたします。

 当院が開院するにあたり、様々なリハビリテーション機器を導入しました。体にリフトを付けて体重を支えた状態で歩く練習ができたりとか、数台の電気刺激の機器があったりとか、当院に来るまで私が扱ったことがない機器が多くあります。改めて、今後のリハビリテーションは“機器”が効果を出してくれるものはそこにゆだねて、“人”が介入すべきことと分けて考えることが必要だと思いました。だからこそ、機器を使いこなせるセラピストを育成して患者様に還元できる病院になりたいと思っています。

― 開院して3年目とのことですが、地域での病院の認知度や密着度はいかがですか

 今年度、開設後に初めて近隣の地域ケアプラザ(横浜市の各地域での福祉保健活動や交流の拠点となる在宅介護支援施設)に挨拶に行きました。その時、地域の方々に言われたのが、「せっかく病院ができて色々やり取りができると思ったのに、全然関われなくてダメな病院だと思っていました。」と。

 開設の忙しさにかまけて、院内のことで手一杯になっていたので、こういった言葉を聞けたのはとても良かったと思っています。地域住民の方のご意見をもとに院内で地域支援事業を企画して、いよいよという時でしたが、日本中で感染症が蔓延して企画が流れてしまいました。

 当院は災害時に地域を支える病院でもありますので、防災訓練など地域の方と一緒にやっていこうという話も出ています。地域ニーズにお応えするにはまだまだ力不足な点はありますが、一つ一つ取り組んでいきたいと思っています。

地域での市民公開講座打合せの様子(正面を向いているのが佐伯さん)

― 開院当時、一番大変だったことはどんなことでしたか。

 一番大変なことは、多くの管理者がいる中で各々が思っている「正義」が違うことでした。何を優先するか、どの基準でルールを決めていくかという統制が取れない中で一気に動き出したので、私が考える優先度と他の管理者が考える優先度が乖離していたんです。そのすり合わせが、ものすごく大変でした。

 例えば、病院経営では法令遵守は自分の中では一番大事なことだったんですけど、そういうものに触れてこなかった管理者の場合、それよりは「リハビリの質が大事」、「患者さんを看ることが大事」といった事に重きを置いていたので、それも大事ではあるのですが、「まずはここを押えておかないと先に進まない」ということが沢山ありました。

その後、2年ぐらい経ってからでしょうか。「あ~。やっと仕事する仲間になれたなぁ」という感覚がありました。意見のすり合わせを何度も何度も積み重ねて、自分の考えを話し、みんなの考えを聴いて、お互いを少しずつ理解していった2年間だったように思います。

    

✅ 佐伯さんは部署運営の責任者ですが、PTOTSTという3職種のチームワークをよくするためのコツなどありましたらお教えください。

 私は作業療法士ですが、PTやSTがきちんと土台を作っているところでOTが行えると、とても効率的に作業遂行の目標達成ができるという経験をしてきました。それは「逆もまたしかり」で、PTやSTが上手くいっていないと、OTが進まないということもあります。私はPTやSTとの連携がないとOTの仕事は円滑にできないと強く感じているので、必要としている一方で、必要とされるPTやSTであって欲しいなぁという思いがあります。

 他の職種の役割を「理解」して「期待」して「信頼」をすることがチームワークにはつながるのではないかと思っているので、お互いを知るためにもPTやSTの管理者と今の課題やお願いしたいことは見かけたらすぐに話すようにしています。

      

✅ 部署の責任者は、部署の成果も求められますが、成果を出すために取り組まれていること、例えば部下へのアプローチなどもお聞かせください。

 自分たちの成果は、患者さんや利用者さん、地域の方々への貢献度だとは思っているのですが、貢献度合いを数値で推し量るのはとても難しいです。一方、予算達成は、病院がその地域で存続していくために大事なことだと思っています。だから数値的な目標というのはクリアをしなくてはいけないと、自分は認識をしています。
 ただ、当院は若いスタッフがとても多いので、そのスタッフに「予算達成だ!」みたいなことを言ってしまうと、お金稼ぎのリハビリテーションみたいな視点になるのはすごく嫌だなぁとは思っています。

 例えば、「リハビリの量=利益」ということに繋がるのであれば、いかにリハビリの量が患者さんにとって大事であるかということ、また、予算達成をすることで新しい機器の購入ができ、患者さんにとってメリットがあるかということを伝えるようにしています。そのため、当院の予算や目標については自分なりに把握しつつ、スタッフへの落とし込み方は言葉を変えるというか、ちょっと工夫をして伝えています

スタッフの皆さんと手工芸準備をしている様子(真ん中が佐伯さん)

✅ 佐伯さんがリーダー(役職)になりたてのとき、壁にぶつかったことはありましたか。

 管理者になって仕事が増えたというのは最初の頃感じたことでした。忙しくなってくると「なんであの人は手伝ってくれないんだろう」とか考える時期があり、その時学んだのは過度に人に期待をしないということでした。
 期待をすると、「なんでしてくれないの」といった感情が生まれて、すごく自分がイライラしてしまいます。期待をしないとちょっとやってくれるだけで“喜びもひとしお”というか。そんな経験を通して、自分の価値観にはめ込み過ぎないというのは大事なことなんだと思うようになりました。「これぐらいやって当たり前でしょう」とか当てはめてしまうと、そこで齟齬が起きるのでイライラするんだなと・・・。そう思って、そうするのはやめようと思いました。

    

✅ 佐伯さんがリーダーとして活動するとき、軸としていること、大事にしていることがあればお教えください。

「自分たちは誰のために仕事していますか?」

 このことを自分も常日頃から忘れたくないと思っているのと、みんなにも見失わないでほしいと思っています。目の前にいる患者さんやご家族のために仕事をするのが私たちの基本です。それが忙しさで自分のことで手一杯になってしまうと、リハビリをこなすことに必死になり、患者さんやご家族のことが二の次になってしまうことも正直あります。  

 そのような仕事の仕方では、私たちがいる意味が無くなってしまいます。「○○をやっておけば、患者さんやご家族にとって、もっと良かった」ということは沢山あるのに、それを振り返ることもできなくなってしまいます。精神的には余裕を持って、基本を忘れずに真摯に向き合っていく姿勢は管理者として見せていきたいと思っています。

✅ 佐伯さんのご経験から、リーダーとして、これだけは身に着けておいたほうがよい、経験しておいた方がよいと思うことをお教えください。

 経験してきたから言えることなのですが、人の話をきくことだと思っています。“もんがまえ”の「聞く」ではなくて、“みみへん”の「聴く」という、この言葉の違いを知っておくと良いと思います。

 私は突発的なことが起こると、「えー、なんでそんな事になっちゃったの!!!」と、感情的になってしまうことがあります。感情的にならないためにも、起きた事象に関して確認しようとか、当事者にきいてみようとか、当事者が何でそういう行動をしたのか「聴く」癖をつけておくと良いと思います。自分が喋るより、相手に喋ってもらうには「聞く」と「聴く」とでだいぶ差があるんだなぁと感じます。

 それと、“報連相”です。“報連相”の能力は、管理者になるとより重要であるというのを実感しています。良い管理者は、いろんな人と細々話して相手の考えもわかっているし、自分の考えも相手がわかってくれているという関係性を作れています。管理者として報告・連絡・相談の能力を高めることに取り組んでいくと、仕事がしやすくなると思います。

リハビリテーション技術科全体ミーティングの様子

✅ これからのご自身のキャリアデザインがあればお教えください。

 私は、「こうなりたい!」と思って計画をして今の立ち位置があるわけではなくて、目の前のことで「ちょっと気になるな」、「これ面白そうだな」ということに手を出していったら今の自分になったというキャリアの積み方をしています。

 当院に異動する前は、「定年になったら何しようかな~」と、呑気に考えていたのですが、異動後に読んだ小説に、仕事は好きだけど歳を重ねて仕事を辞めざるを得なくなるストーリーが書かれていました。それを読んだら「自分が望まなくても仕事ができなくなる時がある」「仕事ができる期間は限られている」というのをヒシヒシと感じました。その時、今の自分のこの肩書きがあることでできることは結構多いと思ったんです。そう思うと、出来ることはやっておきたい気持ちが湧いてきました。

 また、ケアマネを2年間やった中で「看取りの経験」をしたのは、大きなターニングポイントだったと思っています。その時に今の医療だと「死ぬ」ということを選択するのがなかなか難しいとか、家族として納得できるような看取り方があるんだというのを目の当たりにしました。今後、どのような仕事に就いたとしても目の前にいる人の「寂しい思い」や「悲しい思い」が減るような支援をしたいというのは変わらないのかなぁとは思います。何になるのかはわからないですけど、今はそう思っています。

✅ 最後に、自分を元気にしたいとき、どんなことをされていますか。

 本当に元気のない時やストレスがのし掛かっている時は、愚痴を聴いてもらいます。そういう関係性の人が数人いるんですよね(笑)。発散したら、解決をする手段を模索するというのも元気になる手段かと思います。あと、仕事とは全く別の行動をすることもあります。例えばライブに行くとか、スノーボードに行くとか、海に行くとか。

 あと、「無理して元気にならない」というのも策として持っています。「いつかは浮き上がってくる~」と思って、低空飛行を続けます。

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【インタビュー後記】

 佐伯さんにインタビューを依頼したきっかけは、回復期リハビリテーション病棟協会での自院にのことのプレゼンテーションを拝聴したことでした。
 大変快活で、わかりやすく、ご自身の病院、取り組んでいることをお話されている姿に「一目ぼれ」でした。
 どのようなご経歴なんだろう、なぜこんなに自信をもってお話ができるのだろう、魅力いっぱいなところに惹かれ、インタビューをしたところ、期待していたとおりのお話を伺うことができました。

 インタビューで印象的だったのは、何かを求めているというより、「目の前にあることにとにかく懸命に取り組んでいる」ということでした。
 そのご経験がスキルとなり、次の目の前のことを確実に実践されるのが佐伯さんなんだなぁと。

 佐伯さん、お忙しいところありがとうございました!

編集長 下田静香

セラピストリーダーズアカデミー編集長の下田静香です(^^)/

2022年1月に発足した「人づくり・チームづくり研究会」は、去る3月12日(土)に第2回目を開催することができました。

定員8名で当日急なご欠席もある中、7名のメンバーが集まってくださいました❣

メンバーの皆さん、ありがとうございました~

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今回のテーマは、「アサーティブコミュニケーションの実践」でした。

「アサーティブ」は、相手を尊重しつつも自己主張を上手にすること。わかりやすく言えば、相手と意見の相違があったとき、自分の意見を”ごり押し”せずに、相手に理解してもらえるような話のすすめ方です。

今回は、第1回目で使った「専門のことをすんごく勉強していて、実践しているPTさんが、勝手にスタッフに自分の学会発表の資料の手伝いをさせていて、それを何度も指摘しているにもかかわらず、行動改善が見られない。更に、そのことについて自身がわかっていない」という事例でした。

*・*・* こちらが事例の詳細 *・*・*

このPTさんに、どう理解してもらうかの手段として、「アサーティブコミュニケーション」を使ってみようという試みです。

各メンバーからの「アサーティブコミュニケーション」の手法である「DESC法」での発表をしていただき、それに対してのメンバーの意見交換が活発になされました。

メンバーの皆さんは、お互いに一度もお会いしたことがありませんが、回を重ねるごとにメンバー同士のコミュニケーションができてきて、編集長がねらいとしてきたことの実現が始まっていると実感した回でした。

メンバーの皆さん、楽しい1時間でしたね💕

今回ご参加のメンバーです!

次回は、4月9日(土)20:00~21:00の開催です。
テーマは、「最近の新人さんの傾向と対策」です。

ご参加ご希望の方は、こちらからお申込みください(^^)/

教育担当者に求めれることの1つに、メンバーに仕事をきちんと教えられることがあります。しかし、あまり仕事の教え方を学ぶ機会はなかなかありません。教育担当者だから何でもできるということではなく、教えることを“丸投げ”せず、「教えるコツ」を伝えた上で、メンバーに任せたいものです。

本講座は、教育担当者の役割を知った上で、基本的な教えるコツをわかりやすくコンパクトにまとめた講座です。「オンライン」での開催(zoomで受講です)ですが、受講者の皆様と気軽にやりとりできるよう5名様限定で開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。

本講座は、満席となりました!
第1期は、2022年10月以降に開催予定です。

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かねてより本サイトが実現したかった育成講座を開催いたします!

リーダーに任命されても、何も教えてもらえていない…という当事者と、何を教えればいいのかわからず「先輩の動きを見て」ということしかできていない組織も実はあります。

それを解決したく、「セラピストリーダー育成講座ベーシッククラス」を企画いたしました。「ベーシック」ということは・・・もちろん、「アドバンスクラス」も企画しております。

今回は、本企画をご体験いただきたく、「モニター」を募集いたします。
「モニター価格」ですので、リーダーの勉強をするには格安です。しかし、一切手を抜いたりせず、講義+簡単なワークや受講者同士の意見交換の場として活用していただければと存じます。

 【こんな方にご受講をお勧めいたします】

  ✅ 新たにリーダーに任命された方
  ✅ 現在リーダーであるものの、リーダーマネジメントについて学んだことがない方
  ✅ 次期リーダー候補の方
  ✅ リーダーマネジメントにご興味がある方

 【講座概要【平日コース】

  ✅ 全12講のプログラムと日程

✅ 最終課題の提出
     全講義終了後、リーダーとしての決意表明と取り組みたいことを
     ppt.3枚にまとめてご提出いただきます。

✅ 修了証の発行
     講義および最終課題ご提出していただいた方には、修了証を発行いたします。

✅ 受講形式
     すべての講義をzoomでのオンライン(ライブ)でのご受講です。

【モニター受講の条件】

  ✅ 全12講の講義をすべてご受講をお願いいたします。
  ✅ 各回終了後のアンケートにご協力をお願いいたします。
    (内容・資料・時間等の評価、気づいたこと、気になったことなど)
  ✅ リーダーとして困っていること、悩んでいること、不安なことをご質問ください
    (毎回でなくても結構です)
  ✅ 平日コースの日程で、どうしても受講できない日は「土日コース」でご受講いただくことも可能です。また、それも難しいということであれば、全12回のうち、2回までであれば、後日動画を配信いたしますので、自己学習していただきます。

※ 本講座の事務局は、株式会社エイトドアが担当いたします。

 

開催当初、隔月開催の予定ですが、毎月開催にした「人づくり・チームづくり研究会」。
第3回のテーマは、「新入職員を受け入れるにあたり…」です。

本研究会ご参加の条件がございます。詳しくはお問合せください。
① セラピストリーダーズアカデミーの過去のインタビューアー
②   〃   のご推薦、ご紹介の方
③ 過去にエイトドアおよびセラピストリーダーズアカデミーの公開講座ご受講の方
④ エイトドアのクライアント

クリニック事務長を育成するプログラム「クリニック経営士」の3級講座のご案内です。
今回で、第5期を迎え、過去にも数々のクリニック経営士の皆さんが現場でご活躍されています。

本プログラムの最後のクリニック実習では、クリニック経営の実際を見学体験することができ、過去の受講者からも好評を得ております。

【こんな方にお勧めです!】
☑︎ 自分が勤務するクリニックの院長の助けになりたい方
☑︎ 今後のキャリアのための自己啓発
☑︎ 事務長職の仕事もやってみたいとお考えの方
☑︎ パートナー事務長として起業を望む方
☑︎ 事務長になったものの、一層の知識習得を望む方
☑︎ クリニックへの転職をお考えの方

のような目的を持つ方には最適な学びの場となると思います。

講師はすべて現場でバリバリと活躍されているプロフェショナルな先生方です。日々、難しい課題や問題に取り組まれている方々なので、その講義内容は極めて実践的です。

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【募集内容】
日程:2022年5月1日(日)~ 2022年10月31日(月)全7回+実習
   ※月1回の講義です。実習は受講者の皆さんのご都合に合わせて調整します。
授業料:35万円(税込)(3月31日までにお申し込みの場合は、30万円となります)
定員:15名
会場:木村情報技術株式会社東京支店(zoomによるオンライン受講可)
募集締切:2022年4月28日まで

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プログラムは下記の通りです。
<講義>
【第1回】クリニック事務長による事務長職概論(基礎編)
【第2回】クリニックのお金の話(会計・税務・財務の基礎)
【第3回】クリニックとドクターのライフプランのお話(お金とリスクマネージメント、未来予測)
【第4回】クリニックと制度・法律の話(リスク・行政対応・法的対応・リスクマネージメント)
【第5回】クリニック人事・労務・教育研修の基礎
【第6回】医療制度(診療報酬・医療連携・介護概論も含む)
【第7回】クリニック医療広報・マーケティングの基礎・院内ITツール活用
<実習>
 クリニックにて見学体験実習
<修了テスト>


詳細情報↓https://clinic-manager.academy/clinic-management-course…
説明会申込はこちら↓https://forms.gle/ZcvQi3ks8k4koypG8

私が住んでいる地域では、町内会とは別に子ども会があり、小学校5年生の保護者が中心となって、新1年生の歓迎会や地域の夏祭りなどを運営しています。

学校のPTA活動もそうですが、小中学校や町内会で役員を決める時に「待ってました!」と意気揚々、手をあげる人はそう多くないと思います。大半は、「一度はやらなくてはいけないから、早めにやっておこう」、「仕事があるから、出番が多いと難しい」と、躊躇してしまうのではないでしょうか。もちろん、私も後者です。「小学校のPTA役員とは別に、町内の子ども会の役員もあるのか・・・」と、初めて聞いた時は何とも言えない気持ちになっていました。

結果的には、子ども会の中でも幹部と言われる役を引き受けることになったわけですが・・・。

私たちは皆、それぞれの場面で、職業人や家庭人、学生や市民など多くの役割を担っています。これらの役割は増えることもありますし、それぞれに割く時間も年代や状況に応じて変化していきます。

今は、ちょうど年度が変わるタイミングなので、中には、主任やリーダーなど新たな役割が増える人もいることでしょう。1日は24時間と限られていますので、「役割ばかりが増えて時間が足りない」と、心配や不安な気持ちが募っているころかもしれません。

時間をどのように捻出したら良いのか、これは永遠の課題ではありますが、そんな時は前述した『自分が担っている役割』について考える機会を設けてみてはいかがでしょうか。

私たちが人生において様々な役割を担っているという考え方は、ドナルド・E・スーパー(1910-1994)が提唱した理論の一つ、「ライフロール」という概念で知り得ることができます。

人生の役割を、子ども、学生、職業人、配偶者、家庭人、親、市民、余暇を楽しむ人と8つに分け、これらは同時に複数の役割を担いながら相互に影響しているというものです。

自分が持っている時間やパワーを100とした場合、どの役割にどの程度、比重をかけているでしょうか。もし、リーダーとなったことで職業人としての役割が重くなってしまったのであれば、今は仕事に重点を置く時期だと割り切り、余暇や市民活動などにかける時間やパワーを意識的に下げることが必要かもしれません。

全てに100%全力で取り組むことは、やはり難しいものです。「責任あるポジションを任されたから、仕事を頑張らなくては」、「子どもが生まれたから、家庭に注ぐ時間を増やしたい」、「退職を機に、余暇や市民活動の時間を積極的に取りたい」など、ライフイベントも私たちが担っている役割に大きく影響してきます。

「自分自身がどうありたいのか」、「そのためには、どの役割にどのくらい重点を置いたら良いのか」。
それらを自分の内面に問いかけ、見直し続けることこそが自分らしい働き方や生き方につながっていくのだと感じています。

■執筆:原麻衣子
株式会社エイドドア人事アドバイザー
国家資格キャリアコンサルタント 、アンガーマネジメントファシリテーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

北海道札幌市出身。北海道大学卒。大学卒業後、外資系製薬会社を経て、公的病院で人事労務等を担当。その後、病院、クリニック、介護施設を中心に人事制度や評価制度の導入・運用コンサルティングや研修講師として活動している。現在、産労総合研究所『病院羅針盤』にて連載執筆中。

産労総合研究所『病院羅針盤』

『若手育成の教科書 サイバーエージェント式 人が育つ「抜擢メソッド」』
著:曽山 哲人
ダイヤモンド社

2月も下旬、新卒スタッフの受け入れ態勢を考える時期になりました。

ますます拡がる世代間ギャップに悩んでいらっしゃることも多いかと思われます。
今回、ご紹介の書籍は、多くの若者さんの面談をされてこられた著者のかなり興味深い書籍です。

著者は、サイバーエージェントの役員である曽山哲人氏。
のべ3000人以上の採用に関わられたとのこと。

3000人以上の面談を通じてのデータベースから、若手育成の手法をわかりやすくお伝えの1冊かと思います。

見た目は分厚くて、「読み切れるかな」と思うかもしれませんが、読みやすい体裁で構成されています。

新人さんを迎える前に、手に取ってみませんか。

今月から始まった「人づくり・チームづくり研究会」。
コアメンバーでの意見交換ができました。
本来であれば、隔月開催ですが、もっと活発な意見交換をしよう!ということで、
3月も開催いたします!


本研究会ご参加の条件がございます。詳しくはお問合せください。
① セラピストリーダーズアカデミーの過去のインタビューアー
②   〃   のご推薦、ご紹介の方
③ 過去にエイトドアおよびセラピストリーダーズアカデミーの公開講座ご受講の方
④ エイトドアのクライアント

 「セラピストリーダーズアカデミー」のかねてよりやりたかったことの1つ、「人づくり・チームづくり研究会」を発足し、2月12日(土)に第1回の研究会を開催いたしました!

        

    

 本研究会は、7~8名限定で開催しています。第1回目は、8名のメンバーが参加してくださいました。

 少人数での開催の目的は、参加されたメンバーの皆さんそれぞれが必ず発言できること、発言された意見等を大切にメンバーで議論したいことです。

 第1回目のテーマは、「自己評価が高いスタッフ、専門職志向の強いスタッフ」の事例検討でした。

 終了後、次のようなご意見がありました。

  ✅ 他メンバーの意見を聴くことで、自分と違った角度から考えることができた

  ✅ 人事の事例検討は、院内でなかなかできないので、こういう場があるのが嬉しい

  ✅ メンバーご自身の直近の出来事に照らし合わせて考える機会となった

 第1回ご参加のメンバーの皆さん、ありがとうございました~!(^^)!

今回参加のメンバーの皆さんです(^^)/

 次回開催は・・・
 本研究会は、隔月で開催予定でしたが、臨時で3月も開催予定です。

 詳しくは、本サイトの「アカデミー」のページでご案内いたします!

 

  ※ 本研究会は、ご参加に条件がございます。

  ✅ セラピストリーダーズアカデミーの過去のインタビューアー
  ✅ セラピストリーダーズアカデミーの過去のインタビューアーのご推薦、ご紹介の方
  ✅ 過去に株式会社エイトドアおよびセラピストリーダーズアカデミーの公開講座ご受講者
  ✅ 株式会社エイトドアのクライアント

新しい年が始まりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私はといえば、今年の4月から大学院へ進むことになったので、シラバスを見ながら2年間の履修計画を立てているところです。大学卒業以来のシラバスは懐かしくもあり期待感を募らせてくれますが、一方で、どのような2年間になるのか不安でもあります。しかし、不安や心配が入り混じって躊躇する場面があったとしても、自分で決めたことは不思議と最後までやり遂げられるものです。

このように、誰かに押し付けられたわけではなく、自分自身の意思で決めて行動することで、より大きな成果を生み出しやすくなると言われています。自ら考え、楽しい気持ちややりがいに動機付けられているので、自発的な行動を促し、やり抜く原動力となってくれるからです。

ちょうど、昨年末に愛媛県の小学生に対してオンラインで話をしながら、好きや夢を引き出す授業に携わる機会がありました。まずは、それぞれが考える好きや夢をたくさん出してもらい、一つ一つに対して対話をしながら「なぜ好きなのか」「どこが好きなのか」を一緒に掘り下げていきました。

例えば、サッカーが好きという小学生に対してはサッカーをすることが好きなのか、それとも、サッカー観戦が好きなのかと問いかけながら自分自身を見つめてもらうのです。自分一人では気づかなかったけれど、だんだんと話していくうちに「こういうところが好き」と、これまで気づかなかった一面を知ることができ、次第に好きや夢の核心に迫っていく非常に興味深い授業となりました。

そうして行き着いた夢が「サッカー選手としてプレーすることが好きで、将来はサッカー選手になりたい!」であれば、これは自分決定した夢になります。親やコーチから言われて仕方なく行う練習ではなく、上手くなりたいという気持ちに基づいて自ら行動に移すのでモチベーション高く続けることができますし、難しい場面でもチャレンジする姿勢が見られるようになります。

大人になってからの忙しい日々の中で、好きや夢について見つめ直す機会はそうそう無いと思います。ですが、少なからず今携わっている仕事を選んだきっかけには、「興味がある」「楽しい」「好き」のエッセンスが詰まっているのではないでしょうか。

年のはじめだからこそ、自分の内面に問いかけ、今、興味があることや取り組んでみたいことを言語化して一歩ずつ進んでいくチカラにしていきたいものです。

■執筆:原麻衣子
株式会社エイドドア人事アドバイザー
国家資格キャリアコンサルタント 、アンガーマネジメントファシリテーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

北海道札幌市出身。北海道大学卒。大学卒業後、外資系製薬会社を経て、公的病院で人事労務等を担当。その後、病院、クリニック、介護施設を中心に人事制度や評価制度の導入・運用コンサルティングや研修講師として活動している。現在、産労総合研究所『病院羅針盤』にて連載執筆中。

産労総合研究所『病院羅針盤』

『人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』
楠木新(著)
東洋経済新報社

何とも衝撃的なタイトルで始まるこの一冊は、著者が実際に20代から30代の若手社員を中心に悩みや疑問、世代間格差について取材をしていく中で得られた事柄を元にして書かれています。

タイトルに「オジサン」とありますが、決してオジサンだけに焦点を当てているわけではありません。2:6:2の法則にも言われているように、組織においては、全体の2割が意欲的に働き、6割が平均的、そして、残りの2割が怠け者になりやすいとされています。つまり、どのような職場であっても働かない職員が生まれる可能性があるのです。

この書籍では、働かないことを表面的に捉えるのではなく、「イキイキといい顔で働いているかどうか」を重視し、具体例を用いながら解説しています。他業界の例ばかりですが、きっと「どこかで会ったような気がする」人の話ばかりではないでしょうか。

「イキイキと仕事をしたい」「周りに良い影響を与えたい」
きっと、このような一年の始まりに彩りを与えてくれる一冊になることと思います。

全国のPTOTSTの皆様、あけましておめでとうございます!

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

セラピストリーダーズアカデミーは、2年目を迎えました。2021年に全国のセラピストの皆さんを応援したく、立ち上げました。    

2021年中は、現役のセラピストリーダーの皆様、そして応援してくださる医療・介護従事者の皆様にインタビューをお受けいただき、リーダーとしてのお考えや活動状況などアップすることができ、インタビュアーの皆様に心より感謝申し上げます。     

2022年は、新たに「人づくり・チームづくり研究会」を本サイトで立ち上げます。
リーダーになって、一番の悩みどころである「人」のこと、「チーム」のことを、実際にあった事例を通じて、意見交換しながら解決策を共有するという研究会です。

「人の気持ちは毎日変わる」。だからメンバーが集まったチームもある意味「生き物」です。だからこそ、解決策は1つではありません。

研究会で集まったメンバーそれぞれの考えを共有し、複数の術を持ち帰って現場で活かしていただきたいという思いで立ち上げた研究会です。

つきましては、2022年1月15日(土)20:00~21:00にプレ開催として、第0回研究会を開催いたします。詳細は、こちらをご覧いただければと存じます。

人づくり・チームづくり研究会 第0回のご案内(プレ開催)※オンライン開催

セラピストリーダーズアカデミーは、2022年も次のステップへと進化してまいります。

ご期待ください!

セラピストリーダーズアカデミー
編集長 下田 静香

『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話』
長尾彰(著)
株式会社 学研プラス

「今のチームで最大の成果を出したい」「新しくメンバーを迎えるにあたり、どんな点に気をつけたら良いのか」など、チームづくりの悩みは尽きないものですが、そんな時には是非この一冊を手に取ってみてください。

強みを活かす4つのリーダースタイルとチームの発達過程を軸に、チームづくりについて解説されたこの書籍は、漫画「宇宙兄弟」に登場する人物を題材としているので、とにかく読みやすいの一言です。

そして、自分自身が、そして今いるチームのリーダーのタイプを分析しながら読み解くことで、何かしら明日からのヒントが得られることと思います。

仕事を通じてチームが成長していく、まさにそのエッセンスが詰まった一冊。今いるチーム、これまでいたチームと照らし合わせて読んでみると、より学びになるかもしれませんね。

 

『第2版 リーダーシップ』
ジョン P. コッター(著)
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部、黒田由貴子、有賀裕子(訳)
ダイヤモンド社

 

 リーダーになったとき、一度は読んでおきたいのがジョン・P・コッターの『リーダーシップ論』です。

 マネジメントとリーダーシップの違いは、様々なところで議論されるところですが、この1冊で分かりやすく解説されています。

 リーダーシップは、仕事を中心にやりくりすること(マネジメント)とそれに前向きに取り組んでもらうために人の気持ちをやりくりすること(リーダーシップ)を組み合わせて「組織を動かす」ということを述べているのだと思います。

 コッターは、本書のタイトルでリーダーシップを「人と組織を動かす能力」と定義しています。リーダーの10の教訓など、リーダーは何をすべきかを提言している1冊。

 翻訳本ですので、事例などは医療の現場に則していないことがあったり、読みにくい部分があるかもしれませんが、ゆっくり時間をかけて読むことで、リーダーシップの本質を学ぶことができる1冊だと思います。

 セラピストリーダーで日々ご活躍の皆さんにとって、人材育成とチーム運営の悩みは、解決しては、また別の悩みが発生し…の繰り返しです。そうなると、いかに早く、上手く対処するかが求められます。

 一方で、人のこと、チームのことは、単一的な方法・手法で解決するのが難しいため、だからこそ、リーダーの悩みの多くを占めるのだと思われます。

 そこで、『セラピストリーダーズアカデミー』では、「人づくりチームづくり研究会」を立ち上げます。研究会に参加されたみんなで、実際にあった人の課題、チームの課題を事例を使って意見交換しながら、解決方法・手法を共有し、現場に持ち帰っていただき実践し、また研究会に持ち帰って・・・というように、研究会に参加された皆さんの人材育成スキル、チーム運営スキルのブラッシュアップの場として活用していただきたいと考えています。

つきましては、参加してみたいけれど・・・

 ✅ そもそもどんな研究会なの?
 ✅ 参加するにはどうしたらいいの?
 ✅ 具体的にどんなことをするの?

などなど、知っていただくため、「人づくりチームづくり研究会 第0回」とし、プレ開催いたします。

研究会の主宰は「セラピストリーダーズアカデミー」編集長であり、株式会社エイトドア代表取締役の下田静香です。

是非、今よりもっと、人づくりとチームづくりをメンバーと共に考えてみませんか?



『ナースのトリセツ』
著者 輿石光希
編著 クリニック経営士®講座事務局
編集・発売 木村情報技術株式会社

「ナースのトリセツ」!

インパクトがありすぎなタイトルです。

セラピストの皆様からすると、「えっ! 看護師の取扱説明書・・・」と正直なところ、”ビビッてしまう”という気持ちになるのではないでしょうか。

医療の現場、介護の現場は、国家資格の専門性が大きな壁になっていて、実はお互いの職種の実情(例えば、資格取得までの教育課程、現場でのセカンドライセンスや継続教育、現場の職種同士では見えないお仕事などなど)を知る機会が少ないと思いませんか。

学会や研究会も職種ごとにセッティングされているので、現場のセラピストの皆様がどれだけ看護師さんのことを知っているのか・・・ 

本書は、「トリセツ」というタイトルですが、看護師という職種を正しく知っていただく書籍だと思います。

著者の輿石光希氏は、看護のマネジメントもご経験で、看護師として海外でのご活躍の経歴があります。
多角的なご経験から、看護師ご自身が執筆された一冊です!

少しご無沙汰しました。編集長の下田静香です。
今年も年末まで40日。ここから一気に年末ですね。
「光陰矢の如し」とはよく言ったもので、2021年を振り返ると、コロナ禍が続き、あっという間でした。残りわずかですが、「年内にやっておけばよかった~」と後悔しないよう大切に一日一日を過ごしていきたいですね。

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 さて、「リーダーの5つの役割」をお伝えしてまいりました。今回は最終回の5つ目「上司を補佐する」です。

  ✅ 方向性を示す
  ✅ 仕事の進捗状況を管理する
  ✅ 部下を把握する
  ✅ 模範となる
  ✅ 上司を補佐する

上司の補佐は、敢えて言葉に出すまでもないことですが、具体的にどのようなことをするかを挙げることができるでしょうか。
また、補佐しているという意識、認識がどの程度あるでしょうか。

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多くは、補佐という認識よりも、指示に対してきちんとできているかという方が気持ちとして強いと思います。

上司とリーダーとの関係性は、上司は自分に指示をする人、自分は上司に報告する人のように組織運営上の上下の関係、つまり指示命令系統の関係性の認識が強いと思われます。

しかし、指示はできていても、上司はすべてのことを把握しているわけではなく、リーダーが見えていて、上司が見えていないことも現場にはたくさんあるのです。特にリーダーは、メンバーと近い場所で仕事をしていますので、メンバーの表情や声のトーンで変調を察しやすいこともあります。

だからこそ、リーダーは次の「上司を補佐する」行動がより組織を強化できるのではないかと思います。

「上司を補佐する」行動として、次の2つは実践できているでしょうか。

✅ チーム運営に必要な自分が知っている情報を上司に報告している
✅ チーム運営に必要であろうメンバーの様子を上司に報告している

これは、上司として自分の部署の仕事の進捗状況とメンバーの動き、気持ちを知りたいのは当たり前ですが、上司(管理職)の仕事もありますから、リーダーを任命して、管理職の一部を委譲しているのです。

委譲されている以上は、状況報告する義務があるのです。自分には見えないことを含めた報告を受けることで、部署運営がよりよく進むための意思決定、適切な指示ができるのです。

そう考えると、リーダーの「上司を補佐する」という役割は部署運営の未来、メンバーの未来に大いに影響するということがわかりますね。

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■執筆:下田静香 (株式会社エイトドア代表取締役)エイトドア

 法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科修了(経営学修士MBA)。医療、介護、保育、障がい者施設の人事制度構築、人材育成・組織運営等研修等や講演、執筆等で活動。全国の病院、福祉施設で実績を積み、それに付随する評価者研修講師は延べ800件を超える。回復期リハビリテーション病棟協会、東京都社会福祉協議会、神奈川県社会福祉協議会、香川県看護協会、長野県看護協会、八戸市消防本部他団体他で研修講師を務める。著書に「介護施設のためのキャリアパスのつくり方、動かし方」(東京都社会福祉協議会)、「理学療法士育成OJTテキスト」(文光堂 共著)他。現在、「デーリー東北紙『私見創見』」にコラム執筆中。

長崎市にある医療法人春回会井上病院に所属される菊地結貴さんにインタビューいたしました。

菊地さんは、子育てをしながらも管理職としてご活躍中です。実際にどのような両立をしているのか…気になりませんか?

病院では、看護部の管理職は女性がほとんどですが、リハビリテ―ション部門での管理職はまだまだ比較すると少ない状況です。

菊地さんの管理職としての仕事と家庭の両立のコツを聴くことができました!

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◎菊池さんの所属の病院はこちら
医療法人春回会 井上病院

◎菊池さんのプロフィール
<ご略歴>
1995年 長崎大学医療技術短期大学 卒業
     国立療養所長崎病院 入職
1998年 社会医療法人 長崎北病院 入職
2000年 友愛病院 入職 2年後退職。その後、子育てに専念
2009年 社会医療法人 長崎北病院 再入職
2015年 社会医療法人 長崎北病院にて主任
2017年 社会医療法人 井上病院へ異動し、リハビリテーション科士長

◎所属の病院、法人のご紹介をお願いいたします。

当院は二次救急病院として地域医療を担う急性期病院です。

理念は

1.医療を通じ地域の方へ安心を提供すること
2.絶え間ない質の改善を行うこと
3.自分や自分の家族が受けたい医療を行うこと
4.働きがいのある明るい職場をつくること

です。

法人として、医療・介護を通して安心を提供しています。

◎所属の病院のリハビリテーション科の特長をお願いいたします。

当院のリハビリテーション科は、次の3つのことを掲げています。

・退院後の生活を見据えたリハビリテーションを提供する

・その人らしさを重視し、最大限の能力を発揮できるリハビリテーションを実践する

・住み慣れた地域で生活が継続できるよう、リハビリテーションにて支援する

◎菊地さんが理学療法士になられた動機、きっかけを教えてください。

私が中学生の時に母親がくも膜下出血になりました。治療の過程で、その時に初めてリハビリという仕事を知りました。当時は、漠然と「こういう仕事があるんだ」と思ったくらいでしたが。

でも、小さい頃から人の役に立つ仕事がしたいという気持ちは持っていたので、高校生になってから「リハビリの仕事をするためには、どういう学校に行ったら良いのだろう」と考え始め、この仕事を選びました。また、父親が、作業療法士と関わる職場にいたので、仕事について聞いていたことも影響していますね。

また、理学療法士になった頃は、スポーツ整形をしたいと思っていました。しかし、実習の時、脳梗塞になり、片麻痺で生活されている方のご自宅に訪問する機会があり、担当PTが患者さんの生活しやすいようアドバイスや環境を作っていく様子を見て、脳血管疾患のリハビリや回復期に関心を持つようになりました。

最初に思い描いていた理学療法士という職業とは違いますが、この仕事を始めてからは思った通りの仕事をしていると思います。

メンバーとの打合せの様子。中央の白衣を着ていらっしゃらうのが菊地さん。

◎リーダー(役職)になりたてのとき、壁にぶつかったこと、それをどのように克服したのかをお教えください。

主任になったときは、私の上に士長や科長がいたので、何かあれば報告をし、一緒に解決することができていました。ですので、そこまで「壁」と感じたことはありませんでした。

ただ、今、管理職という士長になったとき、どうしてもこちらの思いが伝わらない、わかってもらえないということを感じました。

例えば、その場では「ハイ」と理解したという返事をもらえるのですが、実際にはわかってもらえていないようだ、行動変容までいかない…ということがありました。

「どう伝えれば、行動変容につながるのか」と悩んだ時期があります。

また、「ここは言わなくてもわかっているはず」と思ったことが、「わかっていなかったんだ・・・言っておけばよかった・・・」ということもあり、当時の経験がとても勉強になりました。

とはいえ、私は周りの方々に恵まれていると思っています。それこそ、「壁」にぶつかったとき、どうしたら良いかと悩みながらも相談する相手が周りにいてくださって、その支えもあり、どうにか壁を乗り越えることができたと思っています。

◎リーダーとして、これだけは身に着けておいたほうがよい、経験しておいた方がよいと思うことをお教えください。

管理者という立場になると、どうしてもスタッフのダメなところ、できていないところばかり見えてしまいがちかと思います。

それでも、スタッフの良さを見つけようとすることは大事かなと思っています。どうしても、「ここがダメ」と言ってしまうのですが、そういう時でも、先に良いところを伝えるようにしています。伝え方の工夫はしたほうが良いと思います。

看護師の皆さんは、管理職としての様々な勉強するための講義がありますが、セラピストはやっと回復期リハビリテーション病棟協会でのセラピストマネジャーという認定の制度ができて広がってきていると思います。

私の場合は、たまたま行く機会があり学ぶことができましたが、現役の管理職でもそういうことを勉強しないまま管理職になっている方もいると思います。やはり、指導するスキルなど何かしらは学んだ方が良いですね。

◎子育てしながら仕事を続けられて、現在、士長としてご活躍ですが、女性管理職の働き方について、菊地さんなりに努力したこと、大変だったことをお教えください。

2人の子どもがいますが、上の子が生まれた時に一旦、仕事から離れ、小学生に入学するタイミングで復帰しています。その期間は子育てもしっかりしたいと思っていたので、自分の意思でそうしました。

子どもが小学生の頃は、子育てにかける時間のウエイトを置きました。子どもの成長とともに、仕事へのウエイトも重きが出てきました。自分なりに加減をつけたカタチですね

今の職場は、それを許していただいた職場でもあります。

これが、常に仕事のウエイトを多くする職場であれば、きつかったかなと思います。

◎子育てしながら仕事をするにあたり、気をつけていたことはありますか。

研修に行く回数は少ないにしても、勉強は続けていました。

子どもが小学6年生、中学3年生など(卒業年度)区切りの時は色々と大変ですが、その前後の学年であれば仕事にウエイトを置くことができると思い、行動しました。学会の発表や管理職としてのスキルを身に着ける研修など、負荷がかかることは、子どもたちに時間が取られそうではない時期に時間をかけるようにしていました。

去年は中学3年生と高校3年生でしたのでので、やるべき役割を粛々と実践していました。代わりに、その前の年は頑張って学会に参加していましたね。子育てはまだ続きますので、役割を実践しつつ、ステップアップについては調整していました。

学会発表の記念のお写真でしょうか。
常に学ぶ姿勢を忘れない菊地さんです(^^)/

◎士長に抜擢された時、どう思われましたか。

本音を言うと、士長をやりたいというタイプではありませんでしたが、周りを見て、なるしかないと思いました。

タイミングも良く、子育てが忙しい時ではなかったというのもあります。それなりに、自分のペースでできるかなという時期だったこともありますが、これが子育てでバタバタしている時期であれば、断っていたのかもしれません。

今になると、やってよかったとは感じますが、タイミングと人に恵まれているのだと思います。

理学療法士になりたての頃、勤務先のリハビリ医師に「いろいろな人に出会いなさい」と言われました。

私たちが若い頃は、遅くまで仕事するのが当たり前で、先生のところへ訪問される方とちょっとした症例発表などしていました。今でも、そこで出会った先生たちに支えられています。

◎仕事と家庭の両立(ワーク・ライフ・バランス)をするために、どのような工夫をされてきましたか。ママさんセラピストの皆さんへの応援メッセージをお願いいたします。

私の場合、3つあると思います。

1つ目は、仕事と家庭のそれぞれのウエイトをどちらに置くのか先を見越して「来年は仕事ができそう」とか、「来年は子どもに手がかかりそう」など考えながら計画立てるのが良いと思います。

2つ目は、全部、自分で背負いこまないのがいいですね。

後輩から、「自分が全部、家のことをしないといけないし、病院に来たら業務がこれだけあって大変だ」という悩みも聞いたことがあります。ある程度、子どもが成長してきたら、そこは子どもにしてもらったら良いと思います家庭でも仕事でも自分だけではなく、任せられることは任せていくことで、長く続けられるのだと思います。

家庭でも、何でもしてあげることが良いことかというと、そうではないですし、ある程度は自分でする時期があっても良いのかなと。

ゴミ捨て一つでもしていてくれたらありがたいと思いますし、それが、お手伝いではなく「これはあなたのお仕事ね」と、役割みたいな形でしてもらうことで、それが仕事になるのだと思います。

3つ目は、切り替えですね。仕事と家庭の切り替えをしっかりする方が、うまくいくかなと思います。わたしは車で通勤しているのですが、出勤途中と帰宅途中、車の中で考えることを切り替えるようにしています。

◎仕事もプライベートも含めて、これからの菊地さんの向かう先をお教えください。

今は、管理職業務のウエイトが高いですね。ただ、困っているスタッフがいると月に数回、臨床現場の仕事をすることもあります。やっぱり、臨床は楽しいです。

とはいえ、臨床だけをしたいかというとそうでもないですし、管理職をしながら、悩んでいる患者さんをみていくスタイルが良いかなとも思っています。

また、今後は在宅の仕事もしてみたいという気持ちがあるので、訪問リハには力をいれたいところです。他には心理学を学びたいと思っています。スタッフの想いを少しでも分かり合えるためにも学びたいと思っています。

◎最後に自分を元気にしたいとき、どんなことをされていますか。

どちらかというとアウトドアが好きで、登山やキャンプなどをしています。自然に触れることで英気を養い、元気にしています。

ご友人とのキャンプのご様子だそうです。真ん中が菊地さん。

最近は、子供がアウトドアに付き合ってくれないので、友達と行くようにしています。その時は、仕事と関係ない話が中心ですね。

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【インタビュー後記】

 菊地さんとの出会いは、回復期リハビリテーション病棟協会の管理職向け研修会でした。ご縁があって、5年以上のお付き合いになります。この度は、ママさん&管理職のお仕事でご多忙のところインタビューをお受けいただきました。

 子育てと仕事の両立は、その時の両立というように考えがちですが、菊地さんの場合は、長いスパンで仕事と子育てそれぞれにかける時間のウエイトの掛け方が長続きする両立のようですね。

 きっと、全国のママさんリーダーの皆さんの両立のヒントになったのではないかと思います。
 それにしても、学ぶ力を持ち続ける菊地さんに敬服です。

 菊地さん、ありがとうございました(^^)/

編集長 下田静香

『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』
大手町のランダムウォーカー(著)
わかる(イラスト)
株式会社KADOKAWA

 リーダーや管理職になると、「お金」のことに触れる機会がぐんと増えます。リハ部門だけではなく、病院・施設全体の収支に関する書類に目を通すこと。

 決算書というと、多くの方は苦手意識を持たれるかと思います。しかし、そこにはただ数字が羅列しているのではなく、現状を知るとともに持続的な経営をするためのヒントが散りばめられているのです。

 本書では、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)の基本はもちろんですが、「とにかく楽しく決算書を読めるようになる」ことを主眼に、身近にある様々な企業の決算書を読み解いていきます。

 「コメダとドトール、銀座ルノアールの決算書にはどんな違いがあるの?」
 「なぜ、株式会社ZOZOの前社長、前澤さんはお年玉を配れるの?」

 習うより慣れろとよく言いますが、唸りながら書類とにらめっこしても理解は進みません。好奇心をくすぐるような問いかけが詰まっているこの一冊を片手に、まずは生きた決算書を読むことから始めてみませんか?

「同一労働同一賃金」。

皆さんの病院、施設での対応は万全でしょうか。
フルタイムパート職員から、「正職員の仕事の差は何か」と質問されたとき、根拠のある説明はできますか。

正職員は賞与があるのに、フルタイムパート職員には賞与が支給されないという規定の場合、その理由を説明することが求められるのが同一労働同一賃金です。

本セミナーは、同一労働同一賃金への企業の対応状況に関する調査結果や、その取り組み事例を知ることができます。

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日時:第1部 2021年11月22日(月曜)10時00分~
             26日(金曜)17時00分
第2部 2021年11月26日(金曜)11時00分~12時30分

配信方法:オンライン開催(Zoomウェビナー)

主催:独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)

第1部 研究報告・事例報告
<研究報告>
同一労働同一賃金ルールに企業はどう対応しているのか
─「同一労働同一賃金の対応状況等に関する調査」結果より
渡邊 木綿子 労働政策研究・研修機構 主任調査員

判例から考える公正な待遇の確保に関する課題
原 昌登 成蹊大学 法学部 教授

<事例報告>
イオンリテールワーカーズユニオン 
 三橋 沙織 イオンリテールワーカーズユニオン 中央執行書記次長

エフコープ生協労働組合 
 伊藤 秀紀 エフコープ生協労働組合 中央執行委員長

全日本トラック協会 
 松崎 宏則公益社団法人 全日本トラック協会 常務理事

第2部 パネルディスカッション
コーディネーター 
 濱口 桂一郎 労働政策研究・研修機構 労働政策研究所長

パネリスト
 渡邊 木綿子 労働政策研究・研修機構 主任調査員
 原 昌登成蹊大学 法学部 教授
 三橋 沙織 イオンリテールワーカーズユニオン 中央執行書記次長
 伊藤 秀紀 エフコープ生協労働組合 中央執行委員長

参加費:無料(要予約定員1,000名申込期限2021年11月19日(金曜)15時まで
※定員に達し次第、お申込み受付を終了。

詳細およびお申し込みは、こちらです。
第117回 労働政策フォーラム

今年も残すところ、あと2か月となりました。
この時期になると、「一年を通して、どんなことに取り組めただろうか。」と振り返る機会が多いのですが、私はこの10月からプロボノ活動(「プロボノ」とは、ラテン語の“pro bono publico”(公共善のために)の略)に参加することにしました。

プロボノ活動とは、社会のために自分自身が持つスキルや知識を生かして行うボランティアのことを指します。これまでの職業生活では出会うことがないような社会人とチームを組み、数か月単位でプロジェクトに従事します。

本業でさえ大変なのに、ボランティアとの両立は難しい。そう思われる方もいらっしゃると思います。もちろん、本業に支障が出てしまっては本末転倒なのですが、実は、このような活動を行うことによって本業にも良い影響をもたらせてくれることがあります。

越境学習という言葉をご存知でしょうか。

経済産業省の言葉を借りると、「ビジネスパーソンが所属する組織の枠を越え(“越境”して)学ぶことであり、「知の探索」によるイノベーションや、自己の価値観や想いを再確認する内省の効果が期待されている」とあります。

つまり、日々の職場から離れたところに身を置いて、様々な活動や学びを得ることで成長の機会を促し、新たな価値観を醸成していくのです。

プロボノ活動は、この越境学習の代表的なものの一つだと言えます。

私は、実際に活動を始めてから、これまで出会わなかったような業界や職業の方と知り合うことができました。また、プロジェクトを進める中でお互いの価値観や気持ちをすり合わせするので、多様な価値観に触れることで自ずと視野も広がり、より高い視座で物事を考えられるようになったことは大きな糧となっています。

さらに、チームを一から作り上げることで、チーム作りの変遷を学ぶこともできますし、時にはリーダーシップの経験を積むこともできます。特に、職場ではまだリーダー的な役割を担っていない、リーダーになったばかりという場合は、大いに学ぶところがあるでしょう。

長らく同じ職場にいると、思考は凝り固まってしまうものです。よく、現状維持は衰退しているのと同じだと言われますが、例えば、プロボノ活動にとらわれず、外部の研修や勉強会への参加や新しいコミュニティに属するだけでも、自分自身を客観的に見つめ直し、働くことについて考えるきっかけになるのだと思います。

昨今、大人が生涯を通じて学び続けるリカレント教育の重要性が増しています。「働く」と「学ぶ」を繰り返すこのサイクルにおいて、越境学習はそれを効果的に推し進める一助になるかもしれません。

■執筆:原麻衣子
株式会社エイドドア人事アドバイザー
国家資格キャリアコンサルタント 、アンガーマネジメントファシリテーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

北海道札幌市出身。北海道大学卒。大学卒業後、外資系製薬会社を経て、公的病院で人事労務等を担当。その後、病院、クリニック、介護施設を中心に人事制度や評価制度の導入・運用コンサルティングや研修講師として活動している。現在、産労総合研究所『病院羅針盤』にて連載執筆中。

産労総合研究所『病院羅針盤』